古代吉備国から備後へ ― 歴史が育んだ織物文化

はじめに

古代の吉備国(きびのくに)は、中国地方南東部を支配した広大な地域で、稲作や鉄器製造、瀬戸内海を利用した交易で栄えました。
その範囲は、現在の岡山県全域、広島県東部、香川県や兵庫県の一部まで及び、畿内に匹敵する影響力を持っていたといわれます。

奈良時代初期(8世紀)、中央政権は地方豪族の力を分散させるため、吉備を3つの国に分割しました。

備前(岡山県東部)

備中(岡山県西部)

備後(広島県東部+岡山県西南部の一部)

分割後も瀬戸内海沿岸の交通・交易は衰えず、物資や技術の交流が盛んに行われました。
この地域間のつながりが、後の織物文化、そしてデニム産業の基盤となります。

■江戸時代の備後地方と織物の隆盛

備後地方は高梁川や芦田川流域の肥沃な土地を活かし、江戸時代には綿花栽培が盛んになりました。
特に福山藩では木綿業を奨励し、「備後絣(びんごがすり)」と呼ばれる絣織物が全国に広がりました。

備後絣は丈夫で長持ちし、美しい柄が特徴。庶民の衣服として広く愛用され、その「厚手で丈夫な綿織物」という文化が、のちのデニム生産へとつながります。

備後デニム産業が発展した理由

1. 技術の蓄積

江戸期の備後絣や木綿織物の経験により、糸づくり・染色・織布まで一貫してできる職人技術が地域に根付いていました。

2. 地理的優位性

福山港や尾道港など港湾が近く、原料や製品を全国・海外に輸送できる立地。
この海運ネットワークは岡山県井原市とも結びついていました。

3. 機械化と厚手生地の量産

明治から昭和初期にかけて力織機が普及し、厚手のデニム生地も安定生産が可能になりました。

4. 戦後のジーンズ需要

第二次世界大戦後、アメリカ文化の流入でジーンズ人気が急上昇。
備後地方の織物業者はジーンズ用デニム生地の生産に乗り出し、国内外ブランドへの供給が始まりました。

5. 井原市との連携

岡山県井原市は厚手デニムやヴィンテージ加工に強く、備後と連携して広域的なデニム産地を形成しました。

■備後デニムの特徴

  1. 世界に誇る品質
     糸づくりから染色・織布までを一貫生産し、安定した品質を保ちます。
  2. ロープ染色の深み
     糸を何度も染料に浸して酸化させることで、奥行きのあるインディゴブルーに。
  3. 耐久性と柔らかさの両立
     厚手で丈夫ながら、使い込むほど柔らかく馴染む。
  4. 一点ものの個性
     織り模様や色合いが微妙に異なり、ハンドメイドに最適。

■備後デニム産地マップ

  • 福山市(広島県)
    木綿織物の中心地で、デニム織布工場や縫製所が稼働。港湾都市として流通拠点の役割を果たします。
  • 府中市(広島県)
    家具のまちとして知られていますが、織物業も継続。柔らかな風合いの生地を生産する工場があります。
  • 尾道市(広島県)
    海運の町として備後全域の製品流通を支えています。縫製や仕上げ加工の拠点も点在。
  • 井原市(岡山県)
    厚手デニム・ヴィンテージ加工に強みを持ち、備後地方と技術・流通で密接に連携。国内外ブランドからの信頼も厚い地域です。
  • 児島(岡山県倉敷市)
    元は学生服や作業服の縫製で発展し、戦後はジーンズ縫製・洗い加工で全国的なブランド力を獲得。
    備後や井原で生産された生地を使い、縫製や仕上げで付加価値を高める「最終工程の地」として位置づけられます。

■備後デニムとサステナビリティ

・長持ちするから廃棄が減る

備後デニムは織り密度が高く、丈夫で型崩れしにくい素材。
適切に手入れすれば10年以上使用でき、使い捨てを減らせます。

・リペア・リメイク文化

穴が空いても修繕して使い続けられるため、古くなったデニムをポーチやコースターにリメイクする文化が根付いています。

・端切れの再利用

Kiyo gocochiでは、ランチョンマット等の製作にデニム生地の端切れを仕入れてハンドメイドで縫製しています。

・環境配慮型の染色

一部工場では水の使用量を減らす染色法や、環境負荷の少ない薬剤を採用しています。

■Kiyo gocochiの備後デニム・ランチョンマット

・丈夫で長持ち

厚手の備後デニムを使用し、毎日の食卓でも型崩れしにくい耐久性。

・経年変化を楽しめる

新品の深いブルーから、使い込むほど柔らかく、味わい深い色へ。

・一点ものの魅力

生地の裁断位置や織り模様により、同じものは二つとありません。

※ デニム生地は個体差があります。色合いや織り模様の違いもハンドメイドならではの魅力です。

商品仕様(例:2枚セット)

[商品仕様]
・サイズ:約42cm × 29cm(多少の誤差あり)
・素材:福山デニム、井原デニム 等
・洗濯は洗濯機も可能ですが、弱めで、他の衣類などへの色移りにご注意ください。

こちらは福山デニムのランチョンマット

まとめ

備後デニムは、吉備国時代から続く織物文化と、現代のサステナブルな価値観が融合した素材です。
Kiyo gocochiのランチョンマットは、その歴史と耐久性を日常で楽しめる特別な一枚。
長く使えるものを選び、手を加えながら大切に使い続けることが、これからの暮らしの新しいスタンダードです。

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