「缶バッジ」と「缶バッチ」、どちらの表記も見かけますが、正しいのはどちらなのでしょうか?
この記事では、2つの言葉の違いやその由来をわかりやすく解説します。
■ 結論:英語表記の呼び方で正しいのは「缶バッジ」
「缶バッジ」は、英語の “badge(バッジ)” に由来する言葉です。
意味は「記章」「徽章(きしょう)」「シンボル」。制服やカバンにつける小さなアクセサリーとして広く使われています。
よって、英語表記からみた正確な表記は「缶バッジ(badge)」となります。
それでも、「缶バッチ」という呼び方が好き、とか、こだわりを持っている人もたくさんいますが、それはなぜでしょうか?

■ 「缶バッチ」はなぜ使われるのか?
「缶バッチ」は英語の呼び方から見れば誤った表記とされますが、日本では意外とよく見かけます。
これは、以下のような理由から生まれた俗称だと考えられています。
- 「マッチ」「キャッチ」など、日本語で馴染みのある語感に引っ張られた
- 「バッジ」の「ジ」の音が聞き取りづらく、「チ」と誤認されやすい
- 子どものころの言い間違いや耳覚えがそのまま定着
そのため、正確な意味を知っていても、「缶バッチ」と呼ぶ人も少なくありません。
■ 意味の違いはある?
いいえ、意味に違いはありません。
「缶バッジ」も「缶バッチ」も、金属製の丸い記章・アクセサリーを指しています。
ただし、公共文書や教育機関、メーカーなどでは一貫して「缶バッジ」が使われています。
■ ちなみに「バッジ」と「バッチ」は別の英単語
日本語だと混ざりがちですが、英語ではまったく違う意味になります。
・バッジ (badge)= 記章・シンボル (用例) 警察バッジ、社員バッジ
・バッチ (batch) =まとまり (用例)一括処理 バッチ処理、バッチ生産
つまり、「缶バッチ」は厳密には誤訳に近い表現です。
なお、英語では「Pinback button」もしくは「Button Badge」と呼ばれるのが一般的です。
しかし、日本では、ここまで両方が浸透すると、言葉はひとつの文化ですから、物品そのものについて「これは何という?」と言われれば「缶バッチ」でも、もはや間違いとは言えません。
ただ、英語表記で「BUTTON BADGE」とか「CAN BADGE」となっているものをどう読むの?と問われれば、答えは「バッチ」は間違いで「バッジ」が正しい、ということになります。
■ まとめ
- 英文表記の読みからは正しい表記は「缶バッジ(badge)」
- 「缶バッチ」は日本語では俗称、文化として広がっており、もはや間違いとは言えない。
- 意味に違いはないが、英語としては別の言葉「Pinback button」や「Button Badge」
- 英文表記と一緒に使うなら「缶バッジ」が安心!
- 敢えて「缶バッチ」というのも、日本のことばの文化の面白さ!
缶バッジには実はたくさんの種類があります!
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